私はたまに出張に行く機会がありますが、そういったときに強く感じているのが、こんなにたくさんの老人が世の中にはいるのかということです。普段の通勤時にはどちらかというと若い人が多く見られ、また、休日に子供とともに街に出かけても、若い人が多く目に入るものなのです。それが、昼間には60代以上と思われる人々が買い物など街にあふれています。こういった人々は比較的元気にされているのですが、それぞれのもう10年、20年もすればその状況は大きく変わっていることが予想されます。特に団塊の世代と呼ばれる人々が80歳前後になる時期には、相当数の人々が介護が必要な立場になっていることでしょう。最近、私の会社でも、退職している人がいますが、そういった人の中にはヘルパーの資格をとって介護の仕事をするという人が少なからずいることも事実です。新聞の折り込み広告を見ても、求人の多さには驚かされることもしばしばです。他の事業からこの業界に参入してくる会社もマスコミをにぎわしており、今後は人手不足から、海外から呼び寄せた人材でまかなっていくという方向性も見えてきています。これも、今後の日本の高齢化が確実に来ることへのビジネスチャンスと捉えている人が多くいることを物語っています。人間は誰もが老いていき、最終的には死を迎えるわけですが、その直前まで幸せに平穏に暮らすことを多くの人が望んでいます。それを支えていくのが介護ビジネスといえます。
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豪華で素敵な介護施設
介護ホームを選ぶときに大切なのは、清潔感、設備が整っているか、それとバランスの良い食事が出されているかです。こだわりはひとりひとり違いますが、優秀で思いやりのあるスタッフがいるところを選びたいものです。こんな施設で過ごしたいという夢のような介護ホームが存在しています。それは、都内にある施設です。外観からしてホテルのようなこの施設は、老後をラグジュアリーで優雅に過ごすためにつくられたといいます。中へ入ると受付があり、ホテルマンのような制服を着て迎えてくれます。通常の施設では、みんなエプロンやポロシャツなどを着ていますが、ここは特別です。施設内に銀行の窓口があるのもこの施設のすごいところです。この施設専用の銀行員がいて、お金の相談などもしているといいます。ヨーロピアンなインテリアも、とてもゴージャスで、いつでも館内はピカピカです。そして、ひとりひとりの部屋もバリアフリーになっていて、ホテルそのものです。違うところは介護用のトイレということです。ベットも体が不自由な人が使う電動式となっています。そして、最近の施設ではお食事が豪華と言われています。以前は離乳食のような食事を出しているところも多かったのですが、今では栄養のバランスを考えているだけではなく、彩りなども研究されているといいます。ホテルのような施設では、フルコースとなっていて、お肉は脂身を少なく、やわらかい上質なものを出しています。
介護で問われる家族の役割り
親の介護問題は、ある日突然やってくるものです。特に最近は親と別世帯で暮らしている人が多く、核家族世代で育った子供世代にとって自分の親が自力で暮らすことができなくなったという初めて直面する現実です。一方、親世代も自分でできなくなることが増えることによって苛立ちを隠せなかったり、抑うつ的になったりし老いに対する変化を受け入れられないことは少なくありません。こうした状況の中で、親は肉親が看るものという昔ながらの常識に縛られて一人で抱え込んでしまう人が大勢います。しかし、こうした肉親の一対一の介護というのは世話をする人ばかりか世話をされる側の人にとってもつらいのが現状です。人に任せられず、つきっきりで親を看ている人もたくさんいて、世間的にはよくできた娘、息子ということになりますが、しかし実際のところ、つきっきりの介護は常に監視されているようなものです。世話をされる方にとってもしんどいのです。大事なことは家族だけで背負い込まず、適切な役割分担をすることです。例えば、脳梗塞で体が不自由になった姑のリハビリをリハビリの先生に教わった通りに家でもやっていたら家族仲がこじれてしまったという人がいます。それは当然のことで、家族がリハビリの先生の役割まで引き受けてしまったら、家族関係もずたずたになってしまいます。むしろリハビリの大変さや愚痴を聞き、ホッとできる場所を作ってあげることこそが家族の役割と言えます。